来年は失敗が許されないので、苗総括をする。6/8にJA苗やN法人苗と比較して、僕の苗は徒長苗であり、その原因は肥料過多であることがほぼはっきりした。そして見習うべきお手本はJA苗なので、JAの育苗方法をヒヤリングした。コウノトリ育むお米には、無農薬・減農薬共通の『育苗こよみ』(上の写真)があり、この中にJAが実際に採用している方法がある。それが有機培土方式。主に施肥量に焦点を当てて記すと以下。
有機培土方式(追肥が必要)
- 床土はJA有機培土
- 播種は催芽籾でコシヒカリ100g以下/箱(乾籾では80g以下/箱)。培土に十分潅水し、播種後種籾が隠れる程度に覆土する。覆土も同じJA有機培土を使う
- 追肥:JA有機培土の肥効は20日間なので(稚苗に対応)、液肥(ポタポタ液肥2号)を散布する。液肥原液を100倍に希釈し(原液1Lに対して水100L)、700ml/箱をムラの無いよう散布。時期は、1回目が播種後10~14日後、2回目が27~30日後
JA有機培土(黒土系)の代わりに加西培土(赤土系)もあり得るが、前者は水はじきが少なくなるように改良してあるが、後者はしていないので、前者のJA有機培土の方が良いだろう。
追肥のポタポタ液肥2号の代わりにアミノマリーンでも良い。今は違いが不明なので後日検討する。
無肥料培土方式
有機培土の代わりに無肥料培土を使う方式も記されている。
- 床土は無肥料培土を使い、施肥はファームパワーフィッシュ30g/箱とする。遅く播種(5月播種)する場合は施肥量を減らす
- 施肥は培土と混合する方法と苗箱底に均一に敷く方法があり、前者は菌糸の発生による水はじきで播種しにくくなるので播種当日に混合し、後者は底穴の小さい稚苗用の育苗箱を使う。底穴が大きい場合は底敷き紙などを敷いて肥料がこぼれ落ちないようにする
- 播種は上記と同。(記載はないが)覆土も床土と同じ
- 追肥:播種後13~15日、その後は1週間ごとに葉色を見ながら追肥
★無肥料培土方式は追肥量が不明な点がマイナス。未熟ゆえ下手をすると追肥が過剰で徒長する。JA有機培土の肥料分が分かれば、計算で概ねの追肥量が求められるが、今は不明。別途ファームパワーフィッシュを加えるという1工程増える点も不利。
∴JA有機培土方式の方が優れており、真似しやすいと思う。よって、来年はこれで行く。
☆育苗培土が固まれば、自動播種機の導入も検討できる。
僕の方式:自然耕塾方式
失敗を重ねてきた僕の方式は、帰農1年目の2017年に自然耕塾で学んだやり方で、無肥料培土+籾殻燻炭+醗酵アミノ80g/箱(+追肥もある)としたが、上記と比較して明らかに施肥量が過剰。それは自然耕塾が、関東~東北地方で成苗を移植する(塾では手植え)前提だったからで、関西の温かいところで中苗を移植するコウノトリ米とは異なる。この前提を無視して自然耕塾のやり方を続けた点が失敗ポイント。痛い目に遭ってようやく間違いに気づいた。基本に立ち返り、やっとJA有機培土方式という「苗半作」の勝ち筋が見えてきた!
おまけ:実は帰農2年目の2018年にJA方式(無肥料培土方式だが)に切り替えたことがあった。しかし、プール育苗の苗床の完成が遅れ、催芽籾を長期間冷蔵庫保管しなければならなかったため出芽率が悪化したり、ファームパワーフィッシュで白カビが発生し水をはじいたりした悪印象が重なるという不幸があった。それで翌年に再び自然耕塾のやり方に戻ってしまい、今年もそれを踏襲してしまった。2018年にも2019年にも総括し軌道修正する機会があったのに見逃してしまい、今年の失敗を生んだ。バカとしか言いようがない。自分に蹴りを入れたい気分だ。