夏野菜の定植の実地研修が5/10、コロナ感染防止のため午前、午後の2班に分かれて密を避けて行われた。僕は午前に参加。雨が心配されたが、午前午後とも何とか持ち幸いだった。ただ風が強くマスク着用もあり、よりたか先生の声が聞き取りにくかったので、テキストで補足しながらまとめることにする。
苗は前日から水を底面吸水させる(上の写真)
酢を1/300の濃度で混ぜると良い。酢は、植物が根から放出するクエン酸などの有機酸の代わりで、根が活着して自ら放出できるようになるまでの間、補助するもの。根が有機酸を放出する意味は、土壌中にあるミネラルを吸収可能な形にするためで、そうなるとバクテリア(特に根の周りにいる菌根菌)がせっせとリンやミネラルを運んでくれる。因みに、有機酸以外にも根からは光合成によってつくられたブドウ糖も放出されており、それは植物は単独では生きていくことができなくて、バクテリアなどの微生物と共に生きているが、彼らの力を借りるために糖という餌を放出している。
(参考:竹内孝功さんの自然菜園テキストでは「ストチュウ水」を底面吸水させる。ストチュウ水とは、水10Lに、酢:焼酎:木酢液を1:1:1で混ぜたストチュウ原液30mLを入れたもの。)
キュウリの定植
- ウリ科の根は空気を欲しがるので、土を盛り上げて浅く植え付ける
- 根が張るまでの2~3週間は地上部が風で揺れるのを防ぐため(揺れると根が伸びない)、3本の割りばしで挟み込むようにして動かないよう止める
- 行燈(高さ30cmほどの透明なビニール)で囲う方がより確実。行燈は地温確保と風よけ、虫除けの意味がある
- 最初だけ、根の中心部にたっぷり水をやる
- 必ずネットを張り、蔓が掴んで登れるようにする。掴むものがないと体力が尽きて生長が止まる




ピーマンの定植
- 鉢の土付きでそのまま植えても良い。40cm間隔で植え、3本の割りばしで挟み込んで揺れを止める
- 地温確保が大事なので、根本に光が当たるように雑草を抜き、繊維質の多い草や枯れ草で地表面を覆う。青い草は地温を下げ、菌が繁殖するので取り去る
- 支柱を1本立てて倒れないように支える
- 一番花が咲いたら、それより下の脇芽や葉は全部除去する。一番花より上の脇芽はすべて残す

- コンパニオンプランツはネギ、シュンギク、小松菜など。ネギはマーケットから根のついたものを買ってきて、根は取って、ピーマンのすぐ近くに植える(下の写真)。ネギは殺菌作用がある。シュンギクは一列に、小松菜はばら撒く

トマトの定植
- トマトは乾いた土を好むので、水はけのよい畝の端に植える。畝は30cm以上の高さで作り、雑草堆肥と草木灰を混ぜ込んだ後に定植する。本葉7枚出たら株間60~80cmで植える。花が通路側になるように植える。脇芽はその両側に伸びる
- トマトはもともと地ばい野菜だが、完全に倒すと管理や収穫が難しくなるので、苗を横向きに置き、茎を15~20cmほど土に埋める方法で定植する(下の写真)。埋まった茎からは根、特に側根とひげ根が出るので、真っ直ぐ植えた時より数倍のひげ根の量になる。こうすることで脇芽に行く栄養を確保でき、すべての脇芽を取らなくても良いようにする
- ただ大量の脇芽を残すと収拾がつかなくなるので、ミニトマトで脇芽を7本、中玉で4本、大玉で2本残し、それ以外の脇芽は除去する。それぞれ本幹があるので、8本立て、5本立て、3本立てとなる
- どの脇芽を残し、どれを取るかは、通常は一番最初に咲いた花より下の脇芽は取ってしまい、花より上の脇芽のうち元気の良いものを残す。ミニトマトなら、脇芽を7本残したら、それより上の脇芽は取る。残したままにすると、上が重くなりトマトが倒れてきて実も付きにくくなる
- トマトの脇芽は本幹と葉の間から出てくるので、大概は45度に伸びる。よって誘引方向を45度にする
- トマトは実が成熟したら、実を育てていたその下の3枚の葉は役割を終え、窒素を抜きながら黄色く枯れていく。このまま放っておくと窒素を求めて虫たちが集まってきてそれ以外の葉をも食害していくので、必要のなくなった葉は人為的に落としてしまう
- 実が成るとどんどん収穫していく必要がある。収穫しないと、子孫を残せる安心感から次の実をつけなくなる
