3月~11月まで全9回あるセミナーの第1回目。のと里山農業塾の9/14特別講義(前半、後半)の受講がきっかけで本セミナーに参加し、1/16の出版記念会にも参加したので、岡本よりたかさんにはお馴染み感があったが、主催者「空と大地」や受講される方々とは初対面で新鮮だった。定員20名を超える受講者で盛況だったが、追々主催者や参加者については紹介したいと思う。ただ一点特徴としては、主催者・参加者とも非農家の女性で、プランター栽培や畑を借りたりして長年熱心に実践されてきた(よって僕よりはるかに経験豊富な)方が多いように感じた。
午前は新刊『続・無肥料栽培を実現する本』を基にしての座学で、それぞれが非常に重要なので、できるだけまとめようと思う。※P数字は新刊本の頁。
植物が生長する仕組み(P14):光合成の仕組み
- 光を触媒にして、水と空気中の二酸化炭素を化学反応させてブドウ糖→炭水化物を作り、さらに窒素を加えてタンパク質を作る。植物はこれら有機化合物が95%、土壌中から吸収したミネラル(無機化合物)が5%
植物の科学(P17)
- 炭水化物のCHOはH2O(水)とCO2(二酸化炭素)から作るが、ともに根から吸収している。よって土の中には水と空気が必要で、そのためには最初は耕すことが必要
- いつかは耕さなくても団粒化したコロニーができる=これを「土作り」という
- 土の中の根の先端が水で濡れていると空気が入っていないのでCO2が吸収できないという問題がある。農業は水はけを良くする土木作業である。硬盤層があってもそこに水が溜まるので水はけが悪くなる
腐植とは(P28)
- 土壌は岩や冷えたマグマなどが雨などに侵食されて砂粒になり、そこに生えた苔などの植物や微生物や土壌動物が死滅し分解されて混ざり、マイナスに帯電した粘土になる
- 植物の細胞壁(セルロースとリグニン)はとても硬く、簡単には分解されず土壌中に一つの塊となり残りがちとなり、粘土と同じような枠割を果たす
- マイナスに帯電した粘土およびセルロース・リグニンは、プラスに帯電した物質=ミネラル(陽イオンともいう)を吸着するが、これを腐植と呼ぶ
- このミネラル(陽イオン)が豊富な土を肥えた土といい、植物が分解して豊富にしてくれる。一方で化学肥料は電化0の物質なので土にくっつかず、大部分が流れ出てしまう
団粒化とは(P31)
- 陽イオンのミネラルが粘土やリグニンなどに吸着していけば塊となるが、これらはプラスに帯電した塊と同じ状態なので、塊(腐食という固相)同士が反発し合い隙間ができる。この隙間に空気や水が入り込み、これを団粒化した土という
- こうなると耕さなくてもよいが、早くて3年、長くて5~10年かかる
自然界のミネラル供給源(P34)
- 植物に必要なミネラルは現在分かっているのが17種類。窒素N、リン酸P、カリKが三大元素。慣行ではこれにカルシウムCa、マンガンMgを加えた5つしか与えないが、すべてのミネラルがバランスよく与えられていることが重要
- 窒素Nは空気から窒素固定菌(好気性菌)が土に固定している。有機物の分解からも得られる
- リン酸Pは種や虫の糞から供給されるが、栽培においては米ぬかに含まれるフィチンで補う
- カリウムKは草木の葉や根が分解されることで供給されるが、栽培では草を残したり、広葉樹や雑木林の枯葉や落ち葉を集めて来たり、それをある程度堆肥化させたり、草木灰にしてからすき込む
- カルシュウムCa、マグネシウムMgは、カリウムと同様、葉や根を畑に戻してゆけばよい
- ミネラルは山から来ているが、放っておくと流れてしまう。草があると吸収・循環してくれるが(自然農名人の畑は草ぼうぼう)、草ぼうぼうでは周りから文句が出るので、上記のように広葉樹の葉などを持ち込んだり、半熟堆肥を使う(※半熟堆肥を使うのは中にいるバクテリアを活用するため。完熟するとバクテリアはいなくなり肥料分(ミネラル)だけになる)
- 関東ローム層(黒ボク土:関東、青森、大分、岐阜の一部など)にはリン酸Pが一杯あり、無肥料栽培が難なくできる。関西では無理
以下項目のみでまとめは省略。実践する際に振り返りたい。
ミネラルは土から(P45)
腐生微生物・菌根菌(P62)
雑草堆肥の材料、雑草堆肥のつくり方(P78)
草木灰(P84)