コウノトリ育むお米栽培講習会

米作り

いよいよ米作りスタート。コウノトリ育むお米の第1回栽培講習会が開催され参加した。最初にJAから、過去2年間の不作を受け今年の変更点の説明があった。何点かあったが以下3点のみ記す。

  1. 減農薬に限っては、稚苗での移植も可能とする(※去年までは無・減農薬とも中苗)。不作の原因の一つが分げつの少なさにあるので、分げつを増やすための措置。中苗より稚苗の方が分げつが旺盛なためだが、弱点の雑草に対しては減農薬で対抗できるとの見通し。※無農薬は雑草対策が取れないので中苗での移植のまま
  2. コシヒカリの播種量を収量向上のため増やし、乾燥籾80g、催芽籾100g以下とする(※去年までは乾燥籾65g、催芽籾80g以下)
  3. 追肥の散布時期を、1回目:播種後10~14日、2回目:同27~30日(活着肥として散布)とする ※去年までは、1回目が20日後、2回目は同様

2年連続の不作の原因と対策 by豊岡農業改良普及センター山田主査

2年連続の不作の原因は、(1)分げつの少なさと、(2)高温障害による品質の低下。

(1)分げつの少なさは、草に負けたことと、梅雨入りまでの低温で水温・地温が上がらず生育不良だったことが考えられる。

対策としては、早期湛水をいかに上手くやるか?:雑草を発芽させてから除去する。発芽した直後に除草しないと、大きくなってからだと除去できない。因みに、水温によって発芽する草種が異なるので注意:ヒエ14℃~、コナギ19℃~、ホタルイ15℃~。そしてトロトロ層をいかにたくさん作れるか?コナギ抑制のためには3cm以上必要。

田植え後の水管理:水位をいかに確保するか?田植え後1週間は5cm程度、その後は8cm以上。活着・分げつを促すためには水温・地温の確保が必要。水位センサーを使って厳格に入水を繰り返す場合、水尻で暖かい上層の水がオーバーフローして水温が低下しているケースもあるので注意。

田植え後の除草対策:除草機は、浅水で使用し草を鋤き込むタイプと、深水で使用し草を浮かすタイプがあるので、どちらのタイプかを間違えないように。

(2)高温障害は回避できるか?:去年は梅雨明けの7月下旬~盆過ぎまで高温だった。夏季の高温傾向が常態化しているが、自然現象には逆らえない。

出穂期前後の水管理は妥当か?未明課題。夜間の環境≒水管理が大事?:たっぷりあると水温は下がらないが、少ないと地温とともに下がる。深水は、昼間は水温上昇を抑えるが、夜間は逆に保温するという逆の働きをする。夜間は浅水にして地温を下げることも考えられるが、追求途上の問題。

おまけ:JAの倉庫に水位センサー「水深板(みずみばん)」の在庫があったので配布された(下の写真)。

水深板(みずみばん)
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