2/1・2 nico10周年祭り:木村秋則さん講演会

米作り

無肥料自然栽培から自律と和を紡ぐnicoの活動が10周年を迎え、2/1・2の2日間にわたり、富士見市民文化会館キラリふじみ(埼玉県富士見市)で『nico10周年祭り』が開催されたので、参加した。『nico10周年祭り』はメインホールでの講演会を中心に、その周りの展示室や会議室、マルチホールなど会場全体で、nicoの会員仲間等によって写真展や竹細工・藍染体験、タネ交換会、飲食スペースなどが設けられ、多くのお客さんで賑わっていた(上の写真)。

今日はメインホールでの講演会の目玉である、2/2午後に行われた木村秋則さんの講演会をまとめたい。

木村秋則さん:2/2午後の講演会

講演会は主旨を大型ディスプレイに映しながら語られたので、それを順に追って見ていきたい。

AIがいくら進んでも、自然を超えることはできない、増え続ける人口の食糧を供給することはできない。自然栽培の答えはこれだ!とは未だ云えないので、皆で追求していきたい。

若者は1次産業は嫌いではないが、親のやっている農業は夢がないという。

殺虫剤なしでも、リンゴとキュウリ以外は3割程度の減収で収まる。

国産は安全というが、実態は断トツで世界一の除草剤使用国。合成添加物の種類も同様(下図)。

自然栽培に近い1951年の野菜に比べて2000年の野菜の栄養価は10分の1以下に。

窒素肥料はわずか10~15%しか作物に吸収されない。残りは草や土、そして空気中や地下水に放出されている。窒素ガスはCO2の300倍以上の温室効果ガスで、温暖化の主犯の一人が農家。

慣行農法では、土の中の養分が作物に吸収されて持ち出されるので養分(肥料)を補充しないといけない、だから無肥料栽培は不可能だと思い込まれている。しかし、木村さんの畑を弘前大学の農業部長が調べたら2000年分の栄養素があることが分かった。もっと大学で研究を進めてほしい。

最後のスライドが上で、これは二宮尊徳が読んでいる本を木村さんが撮影したもの(手の影は木村さんの手)。日本全国どの像も同じ文章で、孔子が弟子に残した言葉。儒教の経典『大学』の一節。あるブログによると、次のような意味とのこと。
“一家が思いやりの心を持てば、国全体にも思いやりの心が興り  一家が譲り合う気持ちを持てば、国全体も同じようになる  一家が貧欲になれば、その国は乱れることになる”

上のスライドは、木村さん自身の志とも次世代へのメッセージとも受け取れるが、もう一つ、講演会に続く4人のパネルディスカッション(下の写真)の最後に、メッセージを頂いた。

パネルディスカッション:左から工藤憲雄さん(元日本経済新聞編集委員)、木村秋則さん、野口勲さん(野口のタネ・野口種苗研究所代表)、磯部竜太さん(無門福祉会事務局長、農福連携自然栽培パーティー全国協議会代表理事)

今ヨーロッパの女子学生(グレタさんのこと)が温暖化反対を叫びマスコミに取り上げられているがどう思いますか?と問われた後(世間では賛否両論あり、僕自身も混濁している)、「彼女はどうやって実現したらよいか、一言も言っていない。提案があれば前進していけるのに」と仰った。

それに対して「日本には自然栽培という解答がある。これを発信していくべきではないか。世界は賛同してくれると思うので、是非発信してほしい。このことが地球環境を守ることにつながる」と。

やはり木村さんはとんでもなく凄い人だ!

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