確定申告の収入計上は、原則として「収穫時に数量を、販売や自家消費等があった時にその内容及び数量・金額を計上する」が、自家消費や贈答、事業用消費の場合、取引金額がないので、「時価」つまり市場等に対する出荷価格で計上することになっている。
但し、野菜類など収穫時から販売または消費までの期間が短いもの(生鮮農産物という)については、収穫時の計上はしなくてよく、販売時に計上すれば良い。さらに野菜類の自家消費に限っては、年末に一括して計上してよいことになっている。
そこで問題は、野菜類の「時価」つまり市場等への出荷価格の年平均額はいくらか?、に絞られる。
H29年度(2017年度)食品流通段階別価格形成調査報告によると、青果物の小売価格に占める各流通経費の割合は(上の写真)、
生産者受取価格(A)47.5%、集出荷団体経費(B)16.9%、卸売経費(C)5.0%、仲卸経費(D)10.3%、小売経費(E)20.4%。つまり、小売価格のうち、農家47.5%、流通業者52.5%という取り分になっている。
次に、集出荷団体の卸売価格①に占める生産者の受取価格④は(下の写真)、④12,022円/①17,553円=68.5%。農水省から青果物卸売市場調査が日別・旬別で出ているので、
「時価」つまり市場等への出荷価格=①卸売価格×④生産者受取価格率68.5%
で算出すればよいと思う。厳密には④の比率は作物ごとに異なるが、青果物平均で、かつ丸い数字でよいだろう。
因みに、あるブログによれば、需給関係等により小売価格が変動しても流通経費はほとんど変わらず(流通業者は経費や利益をしっかり確保)、しわ寄せはもっぱら生産者受取価格に行っているとのこと。やはり価格決定権を持たない農家は弱者だ。自前で販路を開拓しないと自立できない。
