イネの有機栽培~緑肥の実例研究

米作り

この間、自然栽培田をどうするかを確定するため、事例研究している。12/31『無農薬・有機のイネつくり』、1/16井原豊さんの「への字型稲作」に続いて、今日は緑肥の実例研究。

イネの有機栽培は大きくは、①緑肥・草生栽培、②有機物(堆肥、米ぬか、稲わら、くず大豆など)を活かす、③冬期湛水、④生きもの(合鴨や鯉など)を活かす方法があるが、自然栽培田は①と②の組み合わせが良いと思われ、まずは①の実例を研究し、マイ田んぼでも実現できるか検討する。

『イネの有機栽培』(上の写真)の記事の一つ、岡山県岡山市の赤木歳通さんの「菜の花緑肥で除草剤なし―への字の生育だから病害虫もよせつけない」が良くまとまっており、お手本にできそうなので、以下に取りまとめる。なお赤木さんは、記事タイトルの副題にあるように1/16記事の井原豊氏の「への字農法」や、12/31記事の民間稲作研究会が編集した「除草剤を使わない稲つくり」から基本理論や技術などを学んで試行錯誤されている(下の写真、ルーラル電子図書館より)。

『現代農業』2004年11月号より

菜の花緑肥の作業工程

秋~冬 =高低均し・耕うん:高低差をなくし、十分砕土する

冬   =鶏糞散布:10a300kg。ブロードキャスター使用

2月  =播種:10a1.5~2kgのからし菜または菜種。手回し散粒器使用。麦踏み用鎮圧ローラー掛け。逆転管理機で明渠を掘り、排水対策

4月上旬=開花開始:菜種はからし菜より少し遅い

5月上旬=圃場開放:看板を立てて圃場開放。からし菜草丈1.5m

5月下旬=すき込み:モアで細断、ロータリーで耕うん

6月上旬=再耕うん:ヒエ対策

6月中旬=入水・代かき:深水厳禁。必ずヒタヒタ水で行う

2日後 =田植え:35日ポット苗を坪33~36株、2~3本植え。10cm以上の深水管理。追肥なし

★1 高低均し・耕うん? →高低均しは基本中の基本だが、現実的には重機がないと難しい(継続課題とする)。耕うんは、菜の花の種が1mmほどだから、十分砕土したほうが発芽に有利。そして播種前には、ロータリーのエプロン鉄板で圃場全体を平らに均しておく、とのことなので、できるだけそうする。

★2 冬の「鶏糞散布」は? →鶏糞がないので、なしとする。秋に米ぬかを10a100kg撒いたので、これで様子見とする。

★3 からし菜または菜種だが何にする? →他にも麦、エンバク、レンゲ、ヒナゲシ、クリムソンクローバーなどもあるが、赤木氏に倣いからし菜と菜種とする。なお、緑肥用からし菜は茎に産毛に似た小さなトゲがあるので、子供が遊ぶには菜種に限るが、種子が高いので安価なからし菜と使い分けている。また菜種は開花前の茎蕾は食用になる、とのこと。

★4 手回し散粒器?、麦踏み用鎮圧ローラー掛け?、逆転管理機で明渠を掘り、排水対策?: 前2者で種子を土にめり込ませる。またはロータリー爪の回転数を最低速にして耕深3cm以内に浅く攪拌しても良い。小面積なら熊手の背か竹ぼうきでなでても種子は土に隠れる。湿害には極めて弱いから、排水対策は万全を期しておく。本暗渠があっても6mに1本、なければ4mに1本の明渠(溝)が欲しい、とのこと。

 →手回し散粒器および鎮圧ローラーはないので、これから調べる。排水対策についても機械もないし、かなりの大仕事になりそうなので、まずは機械の選定・導入から検討したい。湿田をどう乾かすか(恐らくこれが乾土効果か?)が最大のネック・難問になりそうだ! 赤木氏も記事の中で、「降雪地帯や冬に乾かない田ではやれない。冬期湛水や他の抑草技術を選ぶべきだろう」と記されているので、乾田化が天王山になること間違いない。

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