11/12に続いて第2回目。秋冬場に何をするか、主に秋冬場の圃場管理-乾土効果と冬期湛水をテーマに勉強会。
秋冬場に行う圃場管理-MOA豊岡支部長の取り組み
- 土の均平化
- 畦畔の草刈り、乾燥して燃やす
- 秋起しはしない。この辺りの田んぼは降雨や積雪で土が乾かないので捏ね繰り回さない
因みに、過去浮き草(具体的にはアゾラという学名のオオアカウキクサ)を抑草と窒素固定のため栽培したことがあるが、風で田んぼの一方に偏りコントロールが難しいことなどから断念した、とのこと。
圃場管理は、乾土効果を狙って耕起するか、それとも冬期湛水するか、大きくは二つの方向性があるが、現実的には、この辺りは降雨と積雪という気候風土的に乾土効果は望めないので、冬期湛水の方向しかないのでは?との見解であった。
但し、この辺りより降雪の多い、同じ日本海側の秋田県大潟村で、乾土効果を狙った自然栽培で反収9俵という結果を出されている石山範夫さんが居られるので、大潟村での乾土効果とはどのようなものなのか知りたい。
乾土効果と冬期湛水の意義
11/29に紹介した書籍『イネの有機栽培』に、『水鳥とイネと人が共生する冬期湛水水田 宮城県田尻町でのとりくみ』という記事があり、乾土効果と冬期湛水の意義が書かれていたので、以下抜粋する。
乾土効果:これまでは収穫後できるだけ早めに耕し、土壌を冬の寒気にさらして乾燥させる方法であった。これは乾燥させることによって土壌微生物を死滅させ翌年のイネの養分供給に役立たせるという乾土効果の考えが基本にあった。
冬期湛水:冬期に湛水することで冬から秋、春にかけて繁殖する低温菌(麹菌や酵母菌など)を積極的に田んぼで繁殖させ、微生物の働きでわらや切り株などを分解させ、イネの養分として供給させるという施肥効果が期待できる。また渡り鳥の糞にはリン酸や窒素が多く含まれている。さらにスズメノテッポウやコナギなどの水田雑草が減るという効果も期待できる。しかし、土地によってはクログワイやオモダカが逆に増える可能性もあるため、繁殖し始めたら、湛水を休止し収穫後に2~3回耕起し乾燥させるなどの臨機応変の対応が必要である。
因みに、宮城県田尻町の冬期湛水の取り組みは、「冬みず田んぼ」といって、コウノトリ育むお米の視察団が訪れ参考にした先行事例で、縁がある。