ここ数日で催芽が終了していた。発芽ストップするため冷蔵保管する

米作り
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いよいよ浸種の積算温度が150℃に達しそうなので、次の催芽に入ろうと思い、サンプル種籾をチェックしたところ、すでに発芽していることが判明。浸種開始してから本日で11日目だが、特に直近3~4日は異常高温で水温が19~20℃と高く、機械は「浸種モード」で動いているが、実際は「催芽」していたと思われます。

浸種は、発芽を抑制するアブシジン酸をなくするための水処理で(水に溶ける性質を利用)、10℃以下で20日以上(積算温度100℃)が推奨されているが、アブシジン酸は温度にも弱いので、高い水温は発芽抑制作用の解除を加速してしまう。20~25℃で催芽させることになっていたので、機械のモードは浸種だが、実際は催芽していたことは、ほぼ間違いないでしょう。上下の写真にあるように、コシヒカリは鳩胸状態を通り越して発芽している。

コシヒカリ

緑米は、コシヒカリより若干遅れているが、伸びすぎのものもあり(下の2枚の写真)、これ以上浸種を続けると発芽が進んでしまう。

緑米

同上

因みに、本日の水温と積算温度は以下の写真。浸種は、マニュアルでは10~15℃(できれば12℃以下)」で「積算温度150℃」となっていたが、前者の条件を捨象し、異常に高い水温であること(催芽の温度であること)を問題だと認識しかったことが今回の失敗の原因。さらには、マニュアルと照らし合わせながら、現実(今回ならサンプル種籾の状態)を日々観察して、今どういう状態で、今後どうするかを考えるのが自然に対する正しい対処法だと思うが、それを実行しなかったことが、本質的な失敗の原因だと心する。

本日の水温と積算温度

これ以上の発芽・伸長をさせないため、水を切り乾燥させて、10℃未満で冷蔵保管することにする。スケジュールを早めて播種することも考えられるが、まだプール育苗の苗床が完成していないので、播種の時期を後送りする必要がある。そのためには種籾の発芽ストップが絶対条件になる。今日はまずは水を切り(洗濯機で脱水6分する。下の写真)、陰干しにした。

洗濯機の脱水6分したところ

陰干し1~2日したら、玄米保冷庫で10℃未満(8℃くらいに設定か)で保管することにする。

因みに、不耕起栽培のテキスト岩澤信夫著『不耕起でよみがえる』には、「催芽。種モミの芽が少し膨らんで鳩胸の状態。乾かして保管すれば1ヶ月くらいは発芽する」という記述があり、乾いていれば、保冷する必要は特にはない。というのも、イネの芽は水分と温度(10℃以上)で動き出すので(参考:根はさらに酸素が必要)、水分と温度のいずれかで発芽・伸長をストップすることができる。但し、完全に乾かすことは不可能なので、温度も10℃未満にすれば、より完璧に種籾を保管することができる。今回は安全策で行く。

本日の種籾の状態の見立ておよび対処方針は、MOA豊岡支部長の中嶋さんに相談しながら確定した。米作り2年目で自信がなかったので助かりました。ありがとうございました。

★今後の課題:水温の高い日は、毎日または日に何回か水を入れ替えれば、多少は催芽スピードを抑えることができるが、水温の高さ自体は自然状態なので、催芽機で浸種する限りは、絶対に越えられない壁となる。低温浸種するには、村内に流水河川はないので、もっと大きな河川か中山間地の湧き水で浸種するしかないが…。今のところ解決策なし。来年以降も継続課題とする。

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