去年の10月14日、千葉県香取市の藤崎農場(藤崎芳秀さん)の施設見学に行ったので、参考になるよう記録しておきます。藤崎芳秀さんは、「不耕起栽培」の米作りを開発した岩澤信夫さんの理論を実践面で支えた米作り名人です。(※上の写真は、藤崎農場の冬期湛水中の田んぼ。)
藤崎さんは7町の田んぼを経営されており、内5町は不耕起と半不耕起でコシヒカリを、2町は酒米を栽培されている。藤崎さんは「苗半作」ならぬ「苗八作」と苗作りで八割方決まってしまうとされ、苗作りには定評がある。健康な苗と田んぼの生き物の豊かさから、無肥料・無農薬ながら反収9~9.5俵もの収量を上げておられます。
すべて直接販売されているので、年間通して品質保証できる貯蔵方法や精米・パッキング等を採用されており、(食べ物を販売するので当然のことながら)クレームは絶対発生させないよう、非常に厳しい品質管理がなされている。
まずは遠赤外線方式の乾燥機。

乾燥機

乾燥機
以下、籾摺り機、石抜き機、色彩選別機(1等米にするには不可欠)、グレーダー(1.8mmのふるいにかける)。

籾摺り機

石抜き機

色彩選別機とグレーダー
年間通して販売するため、品質が変わらないような貯蔵方法が不可欠で、藤崎さんは玄米を保冷庫(下の写真)で貯蔵されている。

保冷庫
マイナス1℃の氷温庫(下の写真)も導入されてる。保冷庫から出し、氷温庫に数日~1週間入れ熟成させた後精米すると、実際美味しくなるらしい。但し、値段は実験でもあるので一緒とのこと。

マイナス1℃の氷温庫
以下は出荷するための、精米機、選別機、計量機、シーラー(袋を密封する機械)。

精米機、選別機、計量機

シーラー
最終商品と、米の劣化を防ぐために袋に入れられる脱酸素剤。

パッキングされた最終商品

袋に入れる脱酸素剤
以上のように、栽培過程は当然のことながら、販売過程においてもまさにプロフェッショナルというべき仕事現場を見学させてもらい、本当に貴重な体験をさせてもらいました。少しでも近づけるよう真摯に精進したいと思います。ありがとうございました。
東日本大震災(2011.3.11)後、客離れがあり、まだ戻っていないと聞き、ただただお客様が戻ってきますよう祈るばかりです。藤崎さんの米は、安心安全だけでなく、体に力を与えてくれる生命力があるので(無肥料、無農薬で栽培されたもの全てが共通して持っている生命力)、このブログが知っていただく一助になればと念じています。